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小さくしてからオペをしましょう

肝臓は昔「切れない臓器」でした。というのも、肝臓は大小の血管が交錯し、その位置関係が外からはっきりわからないため、血管を傷つけて大出血する危険が常につきまとっていたのです。

だから「ガンが肝臓に転移したらもうおしまい」ともいわれていました。しかし、今では肝臓も立派に切れるようになったのです。

肝臓は機能によって8つの区域に分かれ、それがまるでバナナの房のようにつながっていることがわかってきたのです。切除するときはその房を単位として切るのである。検査・診断技術のめざましい進歩によって、ガンの大きさや場所、肝硬変の有無など、正確に判断することができるようになったことと、区域間の境もわかり、切除しすぎる心配もありません。

もちろん、全部とるわけにはいかないが、部位によっては、肝ガンに侵されていない房だけ生かして残りを切除、というケースが増えた。とはいえ、人体にとって肝臓の役割は非常に大きいでしょう。なるベくなら多くを残して、ほかの臓器への負担が少ないよう働いてもらいたいのです。

そんなときは手術の前にひと工夫する。たとえば肝臓のひと房がガン細胞に侵されているとしよう。この場合、まずは内科で肝動脈内にカテーテル(薬剤等を直接体内に入れるために使う細い管)を差し込み、抗ガン剤を注入します。

こうすることで、ガン細胞を縮小、あるいはこれ以上増えなくなる状態にしてから、今度は外科で房ごと切るのです。このような方法をとるとき、「小さくしてから切りましょう」とお医者さんがいうのであす。

原発性の肝ガン(よその臓器から転移したのではなく、最初に肝臓にガン細胞ができるガン)の患者は、年間2万人に達するといわれ、その数は年々増加しています。またほかの臓器からの転移で肝ガンになるケースは、その数倍はあると推定されています。どんどん増える肝ガンに対抗する外科と内科のスクラムは、患者にとって心強い限りではあります。

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